UML仕様書の読み方
皆さんはUMLの仕様書を読んだことがありますでしょうか?
OMGがUMLの認定試験(Ocup)を始めたこともあって、
以前よりはUMLの仕様書を読んだことがある技術者は
増えてきたのではないかと思います。
(以前はツールベンダーや一部コンサルタントしか読んでいなかった)
UMLの仕様書はもちろん英語ですし、ページ数も多いので
ちょっと読むのに躊躇するかもしれませんが、
コツさえつかめば簡単だったりします。
(UML2.0になってUML1.X時代よりはるかに読みやすくなりましたし)
UMLの仕様書はあらかじめその構成を知っておくと読みやすくなりますので
今回はちょっとだけ解説したいと思います。
(ちなみにUMLの仕様書はここからダウンロードできます)
UMLの仕様書は大きく構造(Structure)に関する要素(クラスやコンポーネント等)と
振る舞い(Behavior)に関する要素(アクションや相互作用等)の2つのPartに分けられて解説されています。
さらにその中は章ごとに分けられ(だいたいダイアグラム単位と考えればよいでしょう)
UMLの各要素(クラス、コンポーネント、ユースケース等)が解説されています。
以下にUML仕様書の構成を俯瞰してみました(要素「クラス」の場合)。
UML Specification(UMLの仕様)
└Structure(構造に関する要素)
└Classes(クラス図関連要素のパッケージ)
├Overview(パッケージの概要説明)
├Abstract Syntax(メタモデル)
├Class Description(所属要素群)
│ └Class(要素)
│ ├Generalizations(継承元の要素)
│ ├Description(概要説明)
│ ├Attributes(保持する属性)
│ ├Associations(関連する要素)
│ ├Constraints(制約)
│ ├Additional Operations(オプション)
│ ├Semantics(要素の意味)
│ ├Notation(表記法)
│ ├Presentation Options(表記上のオプション)
│ ├Style Guidelines(表記上のガイドライン)
│ └Examples(表記例)
│
└Diagrams(所属要素群の表記例一覧)
私がいつもUML仕様書を読んで各要素の調査を行う際には、
以下のような手順を踏んでいることが多いですね。
1)調査対象となる要素のAbstract Syntax(メタモデル)を確認
2)その要素のClass Description(要素説明)を確認
Abstract SyntaxはMOFで表現されたUMLのメタモデルのことで、
各要素がどんな概念なのかをモデルとして表現しています。
文章からはつかみにくいことも、モデルを見れば理解できることが多いですね。
テクニカルデプト 橋本 大輔