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アジャイルカンファレンス東京2010 と ReeL

きたる 7/21(水)に、アジャイルカンファレンス東京2010が開催されます。
手前味噌で恐縮ですが、最先端のトピックから、開発事例まで非常に興味深いセッションが並んでおります。

本日は、そのなかから、日立システムアンドサービスの英様による
「大規模システム向け日本版アジリティ開発手法「COMMONDATION-ReeL」」
のテーマについて簡単にご紹介させていただきます。

実は、私も「COMMONDATION-ReeL」の策定には協力させていただいております。

そもそもの背景として、これまでのアジャイル開発プロセスの導入で試行錯誤を重ねる上で、十分にアジャイル開発プロセスが普及しないという現実がありました。
原因としては、アジャイル開発プロセスには、日本のシステム開発現場では、あまり現実的でない前提が存在していることが挙げられます。
典型的な問題は、スコープ調整によるタイムボックス化です。
成果物を事前に約束する受託開発の SI案件が中心の日本の現場においては、固定スコープを否定する開発プロセスでは、問題解決になりません。
他にも、顧客の積極的な開発への関与や、ストーリー単位のインクリメンタル開発等も、PMOを持たない日本のお客様や、オブジェクト指向になじみのない開発現場では、なかなか難しいものがあります。

また、そもそも「アジャイル」というキーワードそのものに対して、否定的なイメージをもたれる方も多くいます。
自由闊達なボトムアップ型で発展してきた経緯の反動によるものと推察します。

「COMMONDATION-ReeL」では、このような日本の現状を正面から受け止め、肯定し、その上で使えるアジャイル開発プロセスを策定することを目指しました。
「アジャイル開発プロセス」とは何か? といった不毛な議論を避ける為にも「アジリティ開発手法」と呼んでいます。

プロセスの外観は、要件・作成・検証の3フェーズに分れており、ウォーターフォール型のプロセスに酷似しております。
その中に、二段階の反復や、不確定な要件のバッファ管理、顧客代理チームのようなプラクティスをちりばめています。
具体的にどのような内容のプロセスなのかは、アジャイルカンファレンス当日の発表にご期待下さい。

また、「COMMONDATION-ReeL」は、日立システムアンドサービス様の所有の開発プロセスとなります。
ですが、これまでの検討過程を踏まえて、「COMMONDATION-ReeL」の骨組みと汎用的なプラクティスを抽出したものを、「Open@ReeL」として弊社サイトにて公開予定です。
詳細が確定し次第、ご報告したいと思います。

※ COMMONDATION は、株式会社日立システムアンドサービスの日本における商品名称(商標又は登録商標)です。

アジャイルグループ グループリーダー 設楽 秀輔

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